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春はスローモーションのように
数日前の4月12日だったと思うのだが、十和田市街も暖かくなったので、そろそろ官庁街通りの桜のつぼみもほころび始めるのではないかと、期待した。しかしその期待はあっけなく外れてしまった。まだまだ肌寒い日が続いていたので、桜の樹の方でも、そこまで気分が向かなかったのだろうか、と少しだけ気落ちした想いで桜並みの大通りを歩いた。
翌13日は、気温がまた下がった。ミサに出るので早めに散歩に出た。前日より気温が下がったので、おそらく開花はまだしないだろうと思った。実際官庁街通りの桜並木は、どの樹もまったく開花していないように見えた。
俯き加減で浮かない表情をしながら、わたしは歩いていたことと思う。中央病院の前を少し過ぎたあたりで、向こうから元気よく歩いてくる方が見えた。そしてすれ違うほんの数歩手前で、その方がすっとご自分の右手の桜の幹の人の背丈より少し上方に視線を向けた。そして微かに微笑んだ。
わたしはとっさに「開花してますか?」と話しかけた。もう1、2歩歩くと、わたしの方角からは死角になっていた側の桜の幹が見えた。ほんの数輪だったが、桜の花が咲いていた。わたしは「開花していますね!」と、いつのまにか少し軽い気持ちになって語りかけた。ほんの一瞬の小さな春を胸にしまって、まるでスローモーションのような春の展開に、少しうんざりしながら、しかし少しだけうきうきもしながら、まだ他の樹々は一輪も開花していない桜並木をいつもにように歩いて行った。
14日も気温はさほど上がらず、桜並木の様子は、相変わらずだった。
そして今日15日になっても、まだ気温はさほどには春めかない。今週の後半くらいから、やっと本格的に暖かくなるという予報だ。とすると、もしかしたら次の日曜日、キリストの復活祭の日に満開になるということなのだろうか?
上の写真は一昨日撮影。今日の午後になって、もう1度歩いてみると、これと似たような幹から咲いている桜の花が数ヵ所あるのを見つけた。下がその写真。